舞台『カラフト伯父さん』2回目

どうしても、どうしても我慢出来なくて5月3日13時公演、時間が空いた隙に2度目の『カラフト伯父さん』観劇を果たしてきました。当日券に並んだ自分の行動力を褒めたい!1度目とはまた違う角度で観たことによって新たに気づいたことを書き残します。

まず表情がよく見える距離で見れたことでわかったこと。俯いたときの顔の儚さ!とても綺麗。ずっとずっと徹の寂し気のある表情をしていて、なにか苦しそうでつらそうで。普通に座っているだけのときだって、ずっと演技してる。当たり前のことだけど一瞬も気が抜けてなくてすごいなあと単純に思いました。それからもうひとつすごい、と思ったのが、ギャグをしたシーンからまたシリアスに戻るときの表情の変遷。普段もいのおさんはころころと変わる表情が魅力的だけどそれが舞台でもちゃんと活かされていることが伝わってきました。あのふにゃりとしたとろけるような笑顔でギャグを言い、客席を笑いに誘ったかと思うと次の瞬間また徹の憂いた表情に戻る。目線とか、顔の向きとか、そういう細かい表情の演技がすごいなっていうことを間近で見ることが出来て嬉しかったです。

表情の移り変わりと同じくらい重要ですごいことだなって感じたのはテンションの切り替え。特にカラフト伯父さんに自分の想いをぶつけたあとの場面ではほんとうにほんとうに、さっぱりとした表情で現れる。暗転したあの数秒間でちゃんと時間の流れが表されている。そこにいくまでも場面が変わるたびその都度暗転するけどそれぞれのシーンでちゃんと徹の持ってる気持ちは違っていて、それが伝わる。それから演技の思い切りと演技っぽくない自然なセリフの言い方。このふたつは升さんと松永さんのやりとりを見てて本当にすごいなって感じて。アドリブも含まれていると思うけど本当に普通の日常会話を見ている感覚に陥るくらい、すごい。でもそれに負けず劣らず、いのおさんもその輪の中でちゃんと徹として生きてるなって感じました。ただの素人目線だけど、自分が演じる方でなくてもお芝居に少しだけど間近で触れながら過ごしているのでやっぱりすごいなあと、圧巻することが多かったです。



最後の挨拶、いのおさんだけが舞台に残って、あの場所に立った時。客席から絶えず送られていた拍手が2倍近くに大きくなった。それを聞いたいのおさんは口を開けて小さく「わあ!」って。驚いていて、本当に嬉しそうで。それからいつものあの満面の笑みで、深々とお辞儀をしていつものあの手の振り方で舞台を後にしました。客席全てが全力でいのおさんに拍手を贈った、あの時の顔がほんとうに忘れられない。良い瞬間を見ました。